11月7日、衆議院予算委員会で、立憲民主党「岡田克也」衆議院議員の「存立危機事態」についての質問に答える形で、高市早苗総理大臣は、
「ただ、あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておく、と言うことは非常に重要だと思います。
先ほど有事と言う言葉がございました。
それは、いろんな形がありましょう。
例えば、台湾を統一、完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのために、どう言う手段を使うか。
それは、単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから、まあ、偽情報。
サイバープロパガンダであるかもしれないし、それは、いろんなケースが考えられると思いますよ。
だけれども、それがやはり、戦艦を使ってですね、そして武力の行使も伴うものであれば、これは、どう考えても、存立危機事態になりうるケースである、と、私は考えます」
と、発言しました。
まあ、まともな、常識的な発言ですねw
しかし、この発言に対し、中国政府は激しく反発し、外交問題に発展しています。
取り合えず、中国は、日本産の水産物の輸入を停止したようです。
日本が発言の撤回を拒否し、さらに間違いを犯せば、さらなる対抗措置も取らざるを得ない、としています。
この事態に対し、中国の本音を妄想します。
言うまでもなく、中国にとって台湾問題は、「核心的利益」に関わるものです。
このことで、中国が敏感に反応するのは当然のことです。
しかも、中国にとって、台湾に侵攻するチャンスは、いくらでもありました。
中国が台湾に侵攻するチャンスだった出来事を書いてみます。
- 2022年2月24日に開始された、ロシアによるウクライナ侵攻
- 2023年10月27日に始まった、イスラエルによるガザ侵攻
1つだけでもあり得ないぐらいの大チャンスなのに、あろうかことか、大チャンスが2つも発生しました。
この2つの問題で、アメリカやEU、NATOは身動きが取れない状態でした。
もし仮に、中国が台湾に侵攻しても、アメリカやEUは、
「ひゅああ」
と言うだけで、何もしなかったでしょうw
国際的な世論の注目度も、分散されます。
しかし、中国政府は、この2つの大チャンスをスルーしました。
見事なスルーです。
中国政府は、この2つの大チャンスをもってしても、台湾には侵攻せず、静観したのです。
これは、
「中国は台湾に侵攻する意思はない」
と言うメッセージだと受け取られても、やむを得ないぐらいの見事なスルーっぷりです。
このことから、僕は、ウクライナを舞台にしたロシアとNATOによる戦争について語る際も、
「中国は台湾には侵攻しない。
なぜなら、今、あり得ないぐらいの大チャンスが訪れているのに、侵攻していないからだ」
と言う論調で語ってきました。
この2つの侵攻が、そろそろ決着がつきそうか、という時点になっての、高市総理のこの発言なわけです。
中国としては、引き締めるしかありませんね。
中国だって、なめられるわけにはいかないのですよ。
よって、今回の外交問題は長引くと思います。
中国にだって、メンツがあるわけです。
一方、北朝鮮は、この状況下でロシアにすり寄り、一定の成果を上げました。
2024年8月6日、ウクライナが、ロシア領クルスク州に、西側の最新兵器を持った精鋭部隊による逆侵攻を開始しました。
北朝鮮としては、ロシアの防衛のために2024年10月ごろから、北朝鮮兵をロシア領クルスク州に派兵しました。
クルスク州を巡る戦いでは、ロシアが勝利したため、北朝鮮としては、
- ロシアとの友好関係を深めることができた
- 最新のドローン戦争を体験できた
- 武勲ができた(最新の西側兵器を持ったウクライナ精鋭部隊をしばき倒してやったw)
と成果を上げました。
また、ロシアに兵器を輸出するため、ロシアからの技術移転などもあって、北朝鮮経済はうるおったことでしょう。
しかし、中国は何も受け取ってません。
中国は、終始、まともで、常識的な行動をとったと思いますが、中国には得るものがなかったのです。
中国から、恨み節が聞こえてきそうです。
中国からしたら、やりきれないですよw
ほななw

