警察・検察の不正、裁判所の節穴が明らかに…。最高裁で一度は有罪が確定した福井女子中学生殺人事件。再審の結果、一転無罪に…

犯人はオマエだ 時事放談

2025年7月18日、一度は最高裁で有罪が確定した、福井女子中学生殺人事件で、再審の結果、無罪判決が出されました。

事件は、1986年3月19日、福井市の市営住宅東安居団地6号館2階の被害者の自宅で起こりました。
被害女性は、福井市の市立光陽中学校に通う3年の女子生徒(当時15歳)。
当日は、午前中に卒業式があり、卒業したばかりでした。
(一応、3月31日までは中学生?)
しかし、その夜、21時40分ごろ、自宅でめった刺しにされ、殺害されました。
被害者は、母娘の2人暮らしでしたが、母親は、18時ごろから出勤して留守だったそうです。
母親はスナックのホステスでした。

ここまで聞くと、犯人は、被害女性の友人か、母親の知人である可能性が高いと思います。
しかし、逮捕されたのは、被害者家族と面識のない前川彰司(当時21歳)でした。
前川さんは、別件で警察のお世話になることがあり、ヤンチャなところがあったのかもしれません。
捜査に行き詰った福井県警が、前川さんの知人に、別の事件を見逃す代わりに、都合の良い証言を依頼した疑いがかけられています。
しかし、その証言にも穴があることが、検察が開示した証拠から判明しました。
前川さんの知人は、
「3月19日の夜、テレビで音楽番組を見た後、血の付いた前川さんを見た」
と証言していました。
しかし、テレビ局に確認したところ、その音楽番組が放送されたのは1週間後の3月26日でした。
警察も検察もその事実を無視して、裁判を進めました。
その結果、

  • 福井地裁:無罪判決(1990年9月26日)
  • 名古屋高裁金沢支部:実刑判決・懲役7年(1995年2月9日)
  • 最高裁判所第二小法廷:上告を棄却(懲役7年で確定)1997年11月14日

1997年11月14日、最高裁にて、殺人罪にしては謎に軽い量刑で有罪が確定しました。
さらにその後、2004年7月15日、名古屋高裁金沢支部に再審請求したところ、

  • 名古屋高裁金沢支部:再審を決定(2011年11月30日)
  • 名古屋高裁本庁刑事第一部:再審開始取り消し(2013年3月6日)
  • 最高裁第二小法廷:特別抗告を退け、再審を認めず(2014年12月10日)

そしてさらに、2022年10月14日、高裁金沢支部に2回目の再審請求。
裁判所が検察に証拠の開示を再検討するように促したところ、なんとこれに応じ、287点の関連資料が開示されました。
その中には、警察や検察のウソや証拠の捏造ねつぞうを示すものも含まれており、

  • 名古屋高裁金沢支部:再審開始を、再度決定(2024年10月23日)
  • 名古屋高裁金沢支部:無罪判決(2025年7月18日)
  • 名古屋高検:上告見送り、無罪確定(2025年8月1日)

となりました。
福井地裁だけは、まともな判決。
名古屋高裁金沢支部は、再審の決定を繰り返してますから、そこは良かったですね。
ただ、名古屋高裁本庁や最高裁は、完全にダメですねw
警察や検察の不正を、何の疑いもなく追認しています。
しかし、警察や検察の不正、裁判所の節穴はこれだけではありません。

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1966年6月30日に静岡県清水市横砂(現・静岡市清水区横砂東町)で起こった袴田はかまだ事件でも警察や検察が証拠の捏造などをしており、悪質です。
こちらも、1980年12月12日に最高裁判所第二小法廷で死刑判決が確定。
再審にて、2024年9月26日に、静岡地裁にて無罪判決が出ております。

袴田はかまだ事件に関しては、死刑判決が確定していたから、より悪質です。
無実の人を公権力を用いて、死刑に処してはいけません。
これは、国家による殺人事件と言えるでしょう。
そのため、世界各国では、死刑制度を廃止する流れが起きてます。
この流れは、イギリスで、無実の人を死刑に処してしまったことから、始まってます。
その事件とはロンドンで1949年に起こったエヴァンス事件です。
エヴァンスさんは、妻と幼い娘を殺害され、悲しみに暮れていたところ、警察により殺人犯として逮捕され、裁判の結果、死刑を執行されました。
しかも、エヴァンスは、犯行を否認するとともに、裁判の中で、集合住宅の階下に住むクリスティが犯人である、と指摘していたにも関わらずです。
真犯人だと名指しされたクリスティは、エヴァンスの死刑執行後に真犯人だったことが判明しました。
しかも、クリスティは、エヴァンス事件だけではなく、他の人も殺害していた狂気の殺人鬼だったのです。

世界各国の間では、このような冤罪事件が二度と起こらないように、死刑制度を廃止する流れが起こています。
日本は死刑制度を維持したままです。
まあ、いずれにしろ、日本で死刑制度を維持するのならば、警察や検察のウソや証拠の捏造ねつぞう、裁判所の節穴には目を光らせる必要があります。
死刑制度の取り扱いについては置いておいても、警察や検察、裁判所は、きっちりやれよ、と言うことです。

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